サッカーJリーグは、開催時期を現在の「春秋制」から「秋春制」に移行することについて、事務局が前向きに検討する意向であることが各チームに伝えられました。
今回は、Jリーグのシーズンが「秋春制」に変わることによるメリットと懸念事項を紹介します。
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Jリーグの「秋春制」とは
Jリーグのシーズンは1993年のリーグ戦開幕当初から「2月or3月開始、11月or12月終了」という「春秋制」で開催されています。
しかし、世界中の有力選手が集まり、ここ数年は日本人選手の多く所属するようになったヨーロッパサッカー連盟加盟国のプロリーグの多くは「8月or9月開始、5or6月終了」という「秋春制」で開催されています。
2000年頃からヨーロッパに合わせた「秋春制」に移行した方がいいのではないかという議論はされてきていたようですが、事務局側が考えを明らかにしたのは今回が初めてです。
「Jリーグ秋春制」のメリット
ヨーロッパ主要リーグのシーズンに合わすことで移籍が活発になる
現在の「春秋制」だとシーズン中に選手がヨーロッパのチームに移籍するケースが減らせます。
また、移籍金が発生することで、チームの収益もよくなる可能性があります。
暑い時期の試合を減らせる
この数年の気温の上昇により、暑い時期の試合における選手の消耗度は相当なものです。
選手の健康・命を守るためにも夏季の試合を減らすべきでしょう。
また、気温の高い日の試合では、プレーの強度は下がります。
暑い時期の試合が減ることにより、質の高いプレーが増えるでしょう。
ACLシーズンと合わせることができる
今までは、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は、Jリーグと同時期に開催されていましたが、今期からヨーロッパに合わせた開幕となりました。
現在の「春秋制」のままだとシーズンをまたぐことになり、ACLを勝ち上がると、途中でチーム編成も変わり厳しい戦いになるでしょう。
「秋春制」に移行することで、シーズンをまたぐことなくACLに挑めます。
「Jリーグ秋春制」の懸念事項
降雪地域での試合開催が可能なのか
暑い時期の試合が減ることによるメリットもありますが、積雪量が多い北海道や東北、北陸などのチームには次のような影響が考えられます。
・積雪により試合の開催ができない
・練習場の確保が難しくなる
・交通機関の心配、寒さによる観客動員の低下
過密日程の可能性
積雪などの影響を減らすために、ウィンターブレイク(中断期間)で調節することも検討されています。
しかし、中断期間が長くなると、リーグ戦全体の開催期間が現在より短くなり、開催期間が過密日程になる可能性があります。
そうなれば、選手への負担が増え、コンディションを整えるのが大変になります。
企業や学校、行政などとの年度のずれが生じる
日本では、季節の区切りを春としていることが定着しているので、「秋春制」になると違和感を感じるかもしれません。
また、アマチュアリーグとの日程にずれが生じることも課題です。
そして、「秋春制」だと新卒選手の入団がシーズン途中になります。
そうなると、新卒選手がすぐに試合に出場するのは難しくなるかもしれません。
結論はいつ?
12月19日のJリーグの理事会で決定するとされています。
もうすぐですね。
まとめ
Jリーグの「秋春制」について紹介しました。
「秋春制」に移行することでメリットも多くありますが、デメリットも多くあるのも事実です。
メリットとして、移籍がしやすい状況にはなるでしょうが、2023年夏に海外移籍をした選手は約20名です。
現在Jリーグには60チームありますが、(年によって変わりますが)ACLに出場するのは3~4チームだけです。
この2点だけを見ると、Jリーグ全体のチームからみると影響は限定的かもしれません。
早ければ2026~27シーズンには「秋春制」の実施を想定されているようですが、懸念事項をひとつでも多く解消して移行することを願います。
現在、WEリーグはすでに「秋春制」を導入しています。
Jリーグの前身である日本サッカーリーグ(JSL)も最後の7年間は、「秋春制」を実施していました。
「秋春制」が実施されるかどうかは、12月19日まで待たないといけませんが、一番大切なことは、日本のサッカーの発展だということを忘れてはならないと思います。
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