サッカーでは、試合や練習中に選手が転倒したり、相手選手と接触したりしてケガをすることは珍しくありません。
そんな時、指導者や保護者が迷うのが、「このままプレーを続けても大丈夫なのか?」という判断ではないでしょうか。
痛みがあっても「大丈夫!」と言ってプレーを続けた結果、ケガが悪化してしまうことも少なくありません。
そこでスポーツ現場で活用されているのが、「SALTAPS(サルタップス)」という評価方法です。
SALTAPSは、短時間で選手の状態を確認し、「プレーを続けても安全か」を判断するためのチェック方法です。
今回は、サッカー指導者や保護者の皆さんにも知っていただきたいSALTAPSについて、わかりやすくご紹介します。
Contents
SALTAPSとは?
SALTAPSとは、試合中や練習中にケガをした選手を評価するための手順です。
大切なのは、病名を診断するものではなく、「プレーを続けても安全か」を判断するための方法だということです。
SALTAPSは、次の7つの項目で構成されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| S | See(観察) |
| A | Ask(質問) |
| L | Look(視診) |
| T | Touch(触診) |
| A | Active Movement(自分で動かす) |
| P | Passive Movement(他人が動かす) |
| S | Skills(競技動作) |
順番に確認していくことで、安全にプレーを続けられるかどうかを判断していきます。
STEP1 See(まずは観察する)
最初に行うのは「見ること」です。
選手に近づく前に、
- どのように転倒したのか
- 相手と強く接触したのか
- 自分で立ち上がれるか
- 歩けているか
- 表情は苦しそうではないか
などを確認します。
例えば、
- 強く足をひねった
- 動けずに倒れたまま
- 明らかな変形がある
このような場合は、無理にプレーを続けるべきではありません。
STEP2 Ask(選手に質問する)
次に選手本人へ質問します。
例えば、
「どこが痛い?」
「いつ痛めた?」
「どんな痛み?」
「歩けそう?」
などを確認します。
しかし、ジュニア年代では注意が必要です。
子どもたちは、
「試合に出たい」
「チームに迷惑をかけたくない」
という気持ちから、
「大丈夫です!」
と無理をしてしまうことがあります。
そのため、言葉だけでは判断せず、次の評価も必ず行いましょう。
STEP3 Look(患部を見る)
患部をよく観察します。
確認するポイントは、
- 腫れていないか
- 内出血はないか
- 左右で違いはないか
- 傷や変形はないか
です。
例えば足首の捻挫なら、左右を見比べると腫れが分かりやすくなります。
見た目で異常がある場合は、プレーを中止する判断が必要です。
STEP4 Touch(患部に触れる)
次に患部をやさしく触って確認します。
確認したいのは、
- 一番痛い場所
- 骨なのか筋肉なのか
- 熱を持っていないか
- 腫れ具合
です。
強く押す必要はありません。
少しずつ触れながら、
「ここは痛い?」
と確認していきます。
もし骨を押して強い痛みがある場合や、激しい痛みを訴える場合は、骨折などの可能性も考え、プレーは中止しましょう。
STEP5 Active Movement(自分で動かせるか)
次は選手自身に患部を動かしてもらいます。
例えば足首なら、
- 上に曲げる
- 下に曲げる
- 内側へ動かす
- 外側へ動かす
膝なら、
- 曲げる
- 伸ばす
などです。
痛みが強く動かせない場合は、無理にプレーを続けるべきではありません。
STEP6 Passive Movement(他人が動かして確認する)
選手が自分で動かせたら、次は指導者やトレーナーがゆっくりと動かします。
ここでは、
- 可動域
- 痛み
- 引っかかり
- 違和感
を確認します。
ただし、無理に動かすことは禁物です。
明らかな変形や骨折が疑われる場合は、この評価は行わず、速やかに医療機関を受診しましょう。
STEP7 Skills(サッカーの動きができるか)
最後に実際のサッカー動作を確認します。
例えば、
- 歩く
- 軽くジョギング
- ダッシュ
- サイドステップ
- ジャンプ
- ボールを蹴る
などです。
痛みがなく自然に動けることを確認して初めて、プレー続行を検討します。
少しでも違和感があれば、無理をさせないことが大切です。
ジュニア年代だからこそ慎重な判断を
子どもたちは、大好きなサッカーを続けたい気持ちから、自分の痛みを我慢してしまうことがあります。
そのため、
「大丈夫?」
「大丈夫!」
というやり取りだけで判断してはいけません。
SALTAPSでは、
- 観察する
- 話を聞く
- 見る
- 触れる
- 動かす
- サッカーの動きを確認する
という流れで、総合的に判断することが重要です。
「プレー続行」と「治った」は違います
SALTAPSで問題なくプレーを続けられたとしても、それでケガが治ったというわけではありません。
試合後や翌日に、
- 腫れが出てきた
- 痛みが強くなった
- 歩きにくくなった
というケースもあります。
プレー後も患部の状態を確認し、必要であれば医療機関を受診しましょう。
指導者・保護者が一番大切にしたいこと
サッカーでは、「試合に勝ちたい」「最後までプレーしたい」という気持ちはとても大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、子どもたちがこれからも長くサッカーを楽しめることです。
その日の1試合よりも、これから先の何年ものサッカー人生の方がはるかに価値があります。
「少しでも不安があれば無理をさせない。」
この判断が、選手の未来を守ることにつながります。
SALTAPSは、そのための大切な判断基準の一つです。
試合や練習中にケガが起きた際には、慌てずに一つひとつ確認し、安全を最優先に対応していきましょう。




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