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試合中のケガ、プレーを続けても大丈夫? 指導者・保護者が知っておきたい「SALTAPS」という評価方法

R8.7.8アイキャッチ③ 指導者として

サッカーでは、試合や練習中に選手が転倒したり、相手選手と接触したりしてケガをすることは珍しくありません。

そんな時、指導者や保護者が迷うのが、「このままプレーを続けても大丈夫なのか?」という判断ではないでしょうか。

痛みがあっても「大丈夫!」と言ってプレーを続けた結果、ケガが悪化してしまうことも少なくありません。

そこでスポーツ現場で活用されているのが、「SALTAPS(サルタップス)」という評価方法です。

SALTAPSは、短時間で選手の状態を確認し、「プレーを続けても安全か」を判断するためのチェック方法です。

今回は、サッカー指導者や保護者の皆さんにも知っていただきたいSALTAPSについて、わかりやすくご紹介します。

SALTAPSとは?

SALTAPSとは、試合中や練習中にケガをした選手を評価するための手順です。

大切なのは、病名を診断するものではなく、「プレーを続けても安全か」を判断するための方法だということです。

SALTAPSは、次の7つの項目で構成されています。

項目 内容
S See(観察)
A Ask(質問)
L Look(視診)
T Touch(触診)
A Active Movement(自分で動かす)
P Passive Movement(他人が動かす)
S Skills(競技動作)

順番に確認していくことで、安全にプレーを続けられるかどうかを判断していきます。

STEP1 See(まずは観察する)

最初に行うのは「見ること」です。

選手に近づく前に、

  • どのように転倒したのか
  • 相手と強く接触したのか
  • 自分で立ち上がれるか
  • 歩けているか
  • 表情は苦しそうではないか

などを確認します。

例えば、

  • 強く足をひねった
  • 動けずに倒れたまま
  • 明らかな変形がある

このような場合は、無理にプレーを続けるべきではありません。

STEP2 Ask(選手に質問する)

次に選手本人へ質問します。

例えば、

「どこが痛い?」

「いつ痛めた?」

「どんな痛み?」

「歩けそう?」

などを確認します。

しかし、ジュニア年代では注意が必要です。

子どもたちは、

「試合に出たい」

「チームに迷惑をかけたくない」

という気持ちから、

「大丈夫です!」

と無理をしてしまうことがあります。

そのため、言葉だけでは判断せず、次の評価も必ず行いましょう。

STEP3 Look(患部を見る)

患部をよく観察します。

確認するポイントは、

  • 腫れていないか
  • 内出血はないか
  • 左右で違いはないか
  • 傷や変形はないか

です。

例えば足首の捻挫なら、左右を見比べると腫れが分かりやすくなります。

見た目で異常がある場合は、プレーを中止する判断が必要です。

STEP4 Touch(患部に触れる)

次に患部をやさしく触って確認します。

確認したいのは、

  • 一番痛い場所
  • 骨なのか筋肉なのか
  • 熱を持っていないか
  • 腫れ具合

です。

強く押す必要はありません。

少しずつ触れながら、

「ここは痛い?」

と確認していきます。

もし骨を押して強い痛みがある場合や、激しい痛みを訴える場合は、骨折などの可能性も考え、プレーは中止しましょう。

STEP5 Active Movement(自分で動かせるか)

次は選手自身に患部を動かしてもらいます。

例えば足首なら、

  • 上に曲げる
  • 下に曲げる
  • 内側へ動かす
  • 外側へ動かす

膝なら、

  • 曲げる
  • 伸ばす

などです。

痛みが強く動かせない場合は、無理にプレーを続けるべきではありません。

STEP6 Passive Movement(他人が動かして確認する)

選手が自分で動かせたら、次は指導者やトレーナーがゆっくりと動かします。

ここでは、

  • 可動域
  • 痛み
  • 引っかかり
  • 違和感

を確認します。

ただし、無理に動かすことは禁物です。

明らかな変形や骨折が疑われる場合は、この評価は行わず、速やかに医療機関を受診しましょう。

STEP7 Skills(サッカーの動きができるか)

最後に実際のサッカー動作を確認します。

例えば、

  • 歩く
  • 軽くジョギング
  • ダッシュ
  • サイドステップ
  • ジャンプ
  • ボールを蹴る

などです。

痛みがなく自然に動けることを確認して初めて、プレー続行を検討します。

少しでも違和感があれば、無理をさせないことが大切です。

ジュニア年代だからこそ慎重な判断を

子どもたちは、大好きなサッカーを続けたい気持ちから、自分の痛みを我慢してしまうことがあります。

そのため、

「大丈夫?」

「大丈夫!」

というやり取りだけで判断してはいけません。

SALTAPSでは、

  • 観察する
  • 話を聞く
  • 見る
  • 触れる
  • 動かす
  • サッカーの動きを確認する

という流れで、総合的に判断することが重要です。

「プレー続行」と「治った」は違います

SALTAPSで問題なくプレーを続けられたとしても、それでケガが治ったというわけではありません。

試合後や翌日に、

  • 腫れが出てきた
  • 痛みが強くなった
  • 歩きにくくなった

というケースもあります。

プレー後も患部の状態を確認し、必要であれば医療機関を受診しましょう。

指導者・保護者が一番大切にしたいこと

サッカーでは、「試合に勝ちたい」「最後までプレーしたい」という気持ちはとても大切です。

しかし、それ以上に大切なのは、子どもたちがこれからも長くサッカーを楽しめることです。

その日の1試合よりも、これから先の何年ものサッカー人生の方がはるかに価値があります。

少しでも不安があれば無理をさせない。

この判断が、選手の未来を守ることにつながります。

SALTAPSは、そのための大切な判断基準の一つです。

試合や練習中にケガが起きた際には、慌てずに一つひとつ確認し、安全を最優先に対応していきましょう。

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