マラソンシーズンが終わると、「しばらく休もうかな」と思う方も多いでしょう。
しかし、オフシーズンの過ごし方次第で、来シーズンの走りが大きく変わります。
しっかりと振り返りをし、計画的に準備することで、来シーズンはさらに成長した自分に出会えるはずです。
この記事では、市民ランナー向けに マラソンシーズン終了後にすべき5つの準備 を紹介します。
オフシーズンを有効活用して、次のレースで最高のパフォーマンスを発揮できるようにしましょう!
シーズン終了後の振り返りと分析
レース結果を振り返る
マラソンシーズンが終わったら、まず最初にやるべきことはレース結果の振り返りです。
記録や順位だけでなく、レース全体を通して自分の走りがどうだったかを振り返りましょう。
スタートからゴールまでのペース配分、給水のタイミング、途中で苦しくなったポイントなどを細かく思い出すことが大切です。
振り返りのポイントとしては以下の点をチェックすると良いでしょう。
- スタートから中盤までのペースは適切だったか
- 給水や補給は計画通りに取れたか
- 後半のペースダウンは予測通りだったか、それとも想定外だったか
- ラストスパートはしっかりできたか
これらをノートに書き出しておくと、来シーズンのレース戦略を練る際に役立ちます。
自分の強みと弱みを分析する
レースの振り返りとともに、自分の強みと弱みを洗い出しましょう。
たとえば、以下のような視点で分析できます。
- 得意なコース条件(平坦なコースが得意、坂道が苦手など)
- 得意なペース帯(速いペースでの巡航が得意か、ゆっくり長く走るのが得意か)
- 持久力 vs. スピード(30km以降も粘れるか、前半でオーバーペースになりがちか)
このように自分の特徴を知ることで、来シーズンに向けた強化ポイントが明確になります。
体調やケガの有無をチェック
シーズンを通して蓄積された疲労や軽いケガがないか確認しましょう。
特にマラソンは足や関節への負担が大きいので、痛みが出ている場合は無理せず休養を取ることが大切です。
気をつけたいポイントは以下の通りです。
- 足裏や膝、股関節に痛みはないか
- 筋肉の張りや違和感が続いていないか
- 疲労が抜けにくくなっていないか
オフシーズンは、こうしたダメージを回復させる絶好の機会です。
しっかりと休息を取りながら、必要に応じて整体やマッサージを活用しましょう。
トレーニング日誌やGPSデータを見直す
レースだけでなく、シーズン全体のトレーニングを振り返ることも重要です。
スマートウォッチのGPSデータやトレーニング日誌を見返して、自分の練習傾向をチェックしましょう。
特に以下の点を確認すると、次のシーズンに向けた課題が見えてきます。
- 練習量は十分だったか(距離・回数・強度)
- ペース配分は適切だったか
- レース前のピーキング(調整期間)はうまくいったか
この振り返りを元に、次のシーズンの練習計画を改善していきましょう。
来シーズンの目標を設定する
最後に、次のシーズンに向けた目標を考えます。
具体的な大会を決めるのも良いですし、「サブ4達成」「フルマラソンでネガティブスプリットを成功させる」などの目標でも構いません。
目標設定のポイントは、達成可能な範囲で、少しチャレンジングなものにすることです。
目標を明確にすると、オフシーズンの過ごし方も変わってきます。
オフシーズンの体づくり
休息期間の重要性を理解する
シーズンが終わったら、まずはしっかりと休息を取りましょう。
特にフルマラソンを走った後は、身体の回復が必要です。
1週間~10日間ほどは無理に走らず、ウォーキングやストレッチで身体をほぐす程度にしておくのが理想です。
休息を取ることで、疲労の回復はもちろん、次のシーズンに向けた意欲も高まります。
「しばらく走らないと体力が落ちるのでは?」と不安になるかもしれませんが、1~2週間の休養で大きく走力が落ちることはありません。
軽いジョギングで身体を維持する
完全に休養を取った後は、軽めのジョギングから再開しましょう。
オフシーズンのジョギングは、以下のポイントを意識すると効果的です。
- ペースはキロ6分~7分程度でリラックスして走る
- 30分~60分程度の短めの距離を継続する
- 週3~4回程度にして無理なく続ける
この時期は「走る楽しさを感じる」ことが大切なので、距離やタイムは気にしすぎないようにしましょう。
筋力トレーニングで基礎を作る
マラソンに必要な筋力を鍛えるために、オフシーズンは筋トレを取り入れるのもおすすめです。
特に下半身と体幹を強化することで、来シーズンの走りが安定します。
おすすめの筋トレメニュー
- スクワット(太もも・お尻の強化)
- プランク(体幹の安定)
- ヒールレイズ(ふくらはぎの強化)
- サイドレッグレイズ(股関節の強化)
週2~3回、15分ほどの筋トレを取り入れるだけでも、走りの安定感が変わってきます。
柔軟性を高めるストレッチ習慣
オフシーズンは柔軟性を高める絶好のタイミングです。
ストレッチを習慣にすることで、ケガの予防にもつながります。
おすすめのストレッチ
- 太もも前のストレッチ(ランニング時の蹴り出しをスムーズにする)
- 股関節のストレッチ(可動域を広げる)
- ふくらはぎのストレッチ(着地の衝撃を和らげる)
ストレッチは毎日コツコツ続けることが大切です。
寝る前やお風呂上がりに取り入れると習慣化しやすいでしょう。
食生活を見直し、体重管理をする
オフシーズンに気をつけたいのが「体重の増加」です。
特にトレーニング量が減るこの時期は、食生活を見直してバランスの良い食事を心がけましょう。
ポイントは、炭水化物を減らしすぎず、たんぱく質をしっかり摂ることです。
鶏肉や魚、卵、大豆製品などを意識して摂るようにしましょう。
来シーズンに向けたトレーニング計画
トレーニングの年間スケジュールを立てる
マラソンのトレーニングは、1年を通して計画的に行うことが重要です。
オフシーズンが終わったら、次のシーズンの本命レースを決め、それに向けたスケジュールを組みましょう。
一般的なマラソンの年間トレーニング計画は、以下のような流れになります。
期間 | 目的 | 内容 |
---|---|---|
3~6月 | 基礎作り | ジョグ中心、筋力強化、フォーム改善 |
7~9月 | 持久力強化 | LSD(ロングスローディスタンス)、ロング走 |
10~11月 | レースペース習得 | ペース走、スピード練習 |
12~2月 | レース本番 | 調整練習、ピーキング |
このように、時期ごとにテーマを持ってトレーニングを進めると、無駄なく効率的に走力を向上させることができます。
ベース作りの期間を確保する
来シーズンの成功の鍵を握るのが、オフシーズンから春先にかけての「ベース作り」です。
この時期にしっかりと土台を作ることで、夏以降の負荷の高い練習に耐えられる身体ができあがります。
ベース作りのポイントは以下の通りです。
- 週3~4回のジョギングを習慣にする
- LSD(ロングスローディスタンス)で持久力を向上させる
- ゆっくり長く走る習慣をつける
- 筋トレやクロストレーニング(自転車・水泳など)を取り入れる
焦らずじっくりと走り込むことで、次のステップに進みやすくなります。
スピード強化のプランを考える
持久力だけでなく、スピードも磨いていくことが重要です。
特にマラソンでは「巡航速度」を上げることが記録向上につながります。
スピード強化のトレーニングとして、以下のようなメニューを取り入れましょう。
- インターバルトレーニング(400m×5~10本、ペースは5kmレースペース)
- ペース走(10~15kmをマラソン目標ペースで走る)
- 坂道ダッシュ(100m×5~10本で瞬発力強化)
スピードを強化することで、マラソンの巡航ペースにも余裕が生まれ、レース終盤の粘りにもつながります。
長距離走を取り入れるタイミングを決める
フルマラソンでは30km以降のスタミナが重要になります。
シーズンが進むにつれて、定期的にロング走を行いましょう。
おすすめのロング走のスケジュールは以下の通りです。
期間 | ロング走の距離 |
---|---|
6~7月 | 20km走 |
8~9月 | 25km走 |
10~11月 | 30km走 |
最初は無理せず20km程度から始め、少しずつ距離を伸ばしていくことが大切です。
練習レースや試走の予定を組む
本命のレース前に、練習レースを走るのも有効です。
ハーフマラソンや30km走を活用することで、実戦感覚を養えます。
おすすめの練習レースプラン
- 本命レースの2~3ヶ月前にハーフマラソン
- 1ヶ月前に30km走で持久力チェック
- 3週間前に10kmレースでスピード調整
実際の大会に出ることで、補給やレースペースの確認もでき、万全の準備が整います。
ギアの見直しと新しい道具の準備
ランニングシューズのチェックと買い替え
シーズンが終わったら、ランニングシューズの状態を確認しましょう。
一般的に、ランニングシューズの寿命は 500~700km と言われています。
シューズの交換が必要なサイン
- ソールがすり減っている
- クッション性が低下している
- アッパーが破れている
新しいシューズを購入する際は、次のレースを見据えて選びましょう。
ウェアやアクセサリーの点検と更新
ランニングウェアやアクセサリーも、シーズンごとに見直すことが大切です。
特に以下のアイテムは消耗しやすいので、チェックしておきましょう。
- ウェア(Tシャツ・タイツ・ウインドブレーカー)
- ソックス(穴あきやゴムの劣化)
- キャップ・サングラス(UV対策)
ガーミンなどのGPSウォッチの活用を見直す
ランナーにとってGPSウォッチは重要なツールです。
オフシーズンに機能を見直し、より効果的な使い方を学んでおくと良いでしょう。
例えば、
- 心拍数トレーニングを取り入れる
- VO2max(最大酸素摂取量)をチェックする
- ピッチやストライドの分析をする
これらを活用すると、トレーニングの精度が上がります。
エネルギージェルや補給食のテストをする
レース中の補給も大切なポイントです。
オフシーズンの間に、自分に合うエネルギージェルや補給食を試してみましょう。
代表的な補給食
- エネルギージェル(MCTオイル・カフェイン入りなど)
- エネルギーバー(ナッツ系・プロテイン入り)
- 経口補水液(OS-1など)
実際にロング走などで試してみて、胃腸に合うかどうか確認しておくと安心です。
ケア用品(マッサージガン・フォームローラー)を揃える
トレーニング後のケアも重要です。
オフシーズンの間に、マッサージガンやフォームローラーなどのケア用品を揃え、疲労回復を促進しましょう。
おすすめアイテム
- フォームローラー(筋膜リリース)
- マッサージガン(深部の筋肉をほぐす)
- アイシンググッズ(炎症を抑える)
しっかりとケアをすることで、ケガのリスクを減らし、次のシーズンに備えることができます。
モチベーション維持の工夫
新しい大会を探してエントリーする
マラソンは目標があると練習のモチベーションが上がります。
シーズンオフの間に、来シーズンの本命レースを決めてエントリーしておきましょう。
大会選びのポイント
- レースの時期:ピークを合わせられるか
- コースの特徴:フラットか、アップダウンが多いか
- 気象条件:暑さ・寒さへの適応が必要か
- 大会の規模:大規模大会か、ローカル大会か
本命レースだけでなく、調整用にハーフマラソンや10kmレースも組み込むと良いでしょう。
ランニング仲間と目標を共有する
一人での練習はモチベーションを維持するのが難しいもの。
仲間と一緒に走ることで、継続しやすくなります。
おすすめの方法
- ランニングクラブやサークルに参加する
- SNSでランニング仲間とつながる
- オンラインコミュニティ(Stravaなど)を活用する
- 目標を共有してお互いに励まし合う
定期的に仲間と走る機会を作ることで、モチベーションを高く保つことができます。
ランニングに役立つ本や動画で知識を深める
オフシーズンは、走るだけでなく知識を深めることも大切です。
特に、ランニングフォームや栄養、トレーニング理論を学ぶと、より効率的な練習ができるようになります。
おすすめの情報源
- 書籍:「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」「厚底シューズ時代の新・体幹ランニング」など
- YouTube:プロランナーやトレーナーが解説する動画
- ブログ・SNS:他のランナーの体験談をチェック
知識をインプットすることで、新しいトレーニング方法を取り入れるヒントが得られます。
他のスポーツで気分転換をする
ランニングばかりでは飽きてしまうこともあります。
モチベーションを維持するために、他のスポーツを取り入れて気分転換をするのもおすすめです。
ランナーにおすすめのクロストレーニング
- サイクリング:心肺機能を鍛えつつ、関節への負担を減らせる
- 水泳:全身運動で持久力アップ
- 登山・トレイルラン:自然の中で走ることでリフレッシュ
- ヨガ・ピラティス:柔軟性向上と体幹強化
こうしたスポーツを取り入れることで、ランニングのモチベーションを保ちやすくなります。
練習を楽しむための工夫を考える
長いオフシーズンを充実させるために、練習そのものを楽しむ工夫をすることも大切です。
練習を楽しくするアイデア
- 新しいランニングコースを開拓する
- お気に入りの音楽やポッドキャストを聴きながら走る
- ご褒美ランを設定する(美味しいパン屋までジョギングするなど)
- ランニングアプリを活用して記録を残す
「楽しいから続けられる」という環境を作ることが、長くランニングを続けるコツです。
まとめ
マラソンシーズン終了後は、次のシーズンに向けた準備期間としてとても重要です。
- シーズンの振り返りをして、強みや弱点を分析する
- オフシーズンの体づくりで基礎を作る
- トレーニング計画を立てて、効率的に走力を伸ばす
- ギアの見直しをして、最適な装備を整える
- モチベーション維持の工夫をして、楽しく継続する
これらを意識して過ごすことで、来シーズンのスタートをスムーズに切ることができます。
次のシーズンに向けて、しっかりと準備を整えましょう!
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